課題の解決方法を提案します★合成吸着剤を使用してコーヒー抽出液からカフェインを除去

人気が高まる「デカフェ」コーヒー

コーヒーにはカフェインが含まれており、毎日大量に摂取すると不安、動悸、不眠などの症状を引き起こす可能性があります。また一般に睡眠を妨げると言われているため、カフェイン抜きのコーヒーを求める消費者が増えてきました。

コーヒー業界では、豆からカフェインを取り除く安全な方法として、スイスウォータープロセス、マウンテンウォータープロセス、超臨界二酸化炭素抽出法があり、それぞれの特長を活かして豆の品質を維持しながらカフェインを除去する技術が使用されています。

 

合成吸着剤を使ったカフェインの除去

ピュロライト®の合成吸着剤Macronet® MN202は、コーヒー抽出液から効率的にカフェインを除去できます。合成吸着剤MN202を充填したカラムに、中性付近にpHを調製した抽出液を1時間あたりに吸着剤体積の2倍量を通液する速度(SV=2)で流すと、樹脂量の10倍の抽出液を通液してもカフェイン除去率は60%を維持できたことを確認しました。通液処理条件(pH, 通液速度など)を調整したり、カラムを2段処理にすることで最適化すれば、さらにカフェイン除去率を改善できる可能性があります。

また使用後の合成吸着剤は、再生剤によってカフェインを除去すると再利用できます。いまのところアルコール処理により合成吸着剤からカフェインを溶離できることが示唆されていますが、防爆設備など生産設備に合わせた再生方法が求められます。

紅茶や緑茶などカフェインを多く含むお茶もあります。合成吸着剤Macronet® MN202は、インスタントティーのメーカーでカフェイン除去効果を評価し、良好な除去率を得ました。カフェイン抜きのお茶の市場はカフェイン抜きのコーヒー市場よりも規模は小さいですが、成長の可能性がある市場分野かもしれません。