課題の解決方法を提案します★イオン交換樹脂による二酸化炭素(CO2)吸着性能試験

関心が高まるDAC技術

カーボンニュートラル社会の実現に向けて、大気から直接二酸化炭素(CO2)を分離して捕集・回収する技術(DAC: Direct Air Capture)が注目されています。イオン交換樹脂はDAC技術に使われるCO2捕集技術の一つで、特にアミンを官能基に持つ弱塩基性アニオン交換樹脂は、CO2吸着効率が高いことが実証されています。

 

イオン交換樹脂を利用したCO2の捕集

Purolite® A110 は、高いCO2吸着効率をもつマクロポーラス型・スチレン系の母材をもつ弱塩基性アニオン交換樹脂です。ラボレベルの試験装置を用いて、A110と同等他社製品のCO2吸着性能を比較した事例を紹介します。

 

【試験条件】

  • 樹脂量:4.4mL、水分率15%以下に調整
  • 供給ガス:400ppm CO2を含む純空気、相対湿度20%、温度24-25℃に調整
  • 通気速度:950mL/minまたは13,000BV/h
  • ガスと樹脂の接触時間:0.28秒

図1:試験装置の概要

 

【試験結果】

供給ガスを樹脂に通過させた後のCO2濃度の経時変化(図2)、およびCO2吸収効率の経時変化(図3)について、他社製樹脂(マクロポーラス型・スチレン系母材の弱塩基性イオン交換樹脂)と比較しました。

破過時のCO2濃度を350ppmと想定する場合、A110は50,900BVに対し他社製は38,700BVであり、A110のCO2吸収量が30%以上多いことを示しました。

またCO2吸収効率90%以上を保持するBV数を比較すると、A110は29,500BVに対して他社製は22,500BVであり、A110は高い吸着性能をより長時間維持できていたことを確認しました。

 

図2:樹脂通過後のCO2濃度の経時変化

 

図3:CO2吸収効率の経時変化

 


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